当時リアルタイムでジャンプやアニメを見てた人ならほぼ全員が覚えてるはずですが、『Z』以降の『ドラゴンボールGT』や『ドラゴンボール超』からDBシリーズを見始めた若い方だと、いちばん最初の超サイヤ人になった瞬間を御存知ないかもしれません。
今回は悟空が超サイヤ人になれた当時の事と、それに付帯する事を考察したいと思います。
超サイヤ人の伝説は後付け 初期ストーリーでは存在しない概念
「超サイヤ人」という概念が最初に出てきたのはコミック17巻のベジータとナッパの会話で、当時4歳だった悟飯の戦闘力が、ラディッツ戦で【1307】にまで上がった通常有り得ない事象に対して
ベジータ「サイヤ人と地球人の血が混じりあうと強力なパワーを持つ雑種ができるようだな・・・」
ナッパ「スーパーサイヤ人・・・てとこか・・・」
とベジータに相槌を打つシーンが原点です。
ピッコロにラディッツが殺される時の会話を遥か彼方の宇宙で傍受してドラゴンボールの存在を知り、永遠の命の願いを叶えるべく地球行きのポッドに乗り、長期睡眠に入る前の会話です。
宇宙空間を移動中に、スカウターで通信会話してる時です。
この時のナッパが発言したニュアンスは、「はっきりとは存在しないけど、メチャクチャ強いサイヤ人」の事を【スーパーサイヤ人】と即席でネーミングした様に受け取れます。
それに対してベジータの返しは、ナッパが云うところのスーパーサイヤ人を「そんなやつら」と、過去現在には存在しない、未来に誕生し得る未知の種族であるかの様に表現してたので、この17巻時点では超サイヤ人の具体的な概念は存在してなかったと言えます。
時を経てナメック星編で、再び「超サイヤ人」というワードが出て来ます。
コミック24巻の悟空VSリクーム戦ですが、リクームが「リクームウルトラファイティングなんちゃら」という広範囲爆破系の必殺技を出す寸前に、悟空がダッシュエルボー一撃でリクームを倒した時の事です。
この時に観戦してたベジータは戦闘力3万ほど(←コミックでは2万だけど、アニメではジースが3万と明言)でしたが、リクーム(推定戦闘力 約5.5万)には赤ん坊扱いされて全く歯が立ちませんでした。
絶望的に強いリクームを悟空が一撃で倒した事から、誇り高き戦闘民族サイヤ人のスーパーエリートの王子ベジータ様が、下級戦士のカカロットに最上級の絶賛を心の中でしてます。
・「サイヤ人の戦闘レベルを明らかに超えている」
・「地球で闘った時と別人だ」
・「超サイヤ人の伝説は本当だったのか!?」
あれっ!?
超サイヤ人の伝説が、昔から在った事になってる 笑
ここで正式に超サイヤ人の伝説が後付けされます。
「超サイヤ人の伝説は本当だったのか!?」という発言は、少なくともベジータが少年時代に父であるベジータ王から言い伝えられたかの様な表現です。
しかも「1千年に1人」という具体的な数字を交えて。
しかしナッパとの会話時点では、そんな伝説など存在しない設定でした。
まあ作中の都合上、鳥山明先生が後に思い付いたと思いますが、ドラゴンボールは戦闘マンガなので主人公をどんどん強く設定せざるを得ない為、超サイヤ人という次元が違う強さの形態に行き付くしか無かったのでしょう。
フリーザが最も恐れていた超サイヤ人は、ヒニクにも自らの手で生み出してしまった・・
一般兵やエリート階級の戦士とは、ケタ違いの戦闘力を誇るフリーザは、自他共に認める全宇宙一の強さでした。
しかしフリーザは超サイヤ人の伝説を心のどこかで無視できず、父であるコルド大王から超サイヤ人の伝説を耳にタコができるほど聞いてたはずですし、内心では若い頃から脅威に感じてた事が伺い知れます。
フリーザにとってはザコでしかないサイヤ人ですが、「死の淵から這い上がると戦闘力が増す」という戦闘民族独自の特性で強いサイヤ人が出だして、やがて徒党を組んで謀反を起こされる事を危惧してました。
部下というより捨て駒として扱ってたサイヤ人に、自身が殺される未来を予感してたのかも知れません。
蛇足ですが、惑星フリーザのメディカルマシーンは仙豆と同じ効果があるので、サイヤ人の仲間内で意図的に【瀕死➡治療➡瀕死➡治療】を何回も繰り返せば自動的に強くなれますが、サイヤ人はプライドが高い戦闘民族なので、このチーティングをしなかったと思います。
超サイヤ人が覚醒する条件は
「おだやかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚める」です。
肉体的なトレーニングをいくらやっても覚醒せず、精神的なキッカケでしか超サイヤ人にはなれません。
さすがのフリーザもここまで詳しく超サイヤ人への覚醒条件を知らなかったでしょうから、クリリンを木っ端微塵に殺した事で悟空の逆鱗に触れてしまいます。
超サイヤ人を嫌悪してたフリーザが、皮肉にも自らが呼び覚ましてしまいました。
この時死んだのはクリリンですが、フリーザの標的は同程度の戦闘力の悟飯でも良かったはずです。
ストーリーの展開次第では、悟空の息子である悟飯が死んでると、この先不都合な場面が有り得るので、安全策の人選でクリリンに絞られたんではないかと思います。
結果論ですが、クリリンが生き返るまでに悟飯はストーリーを左右する様な大した働きはしてないので、死ぬのは悟飯でも良かったのです。
天津飯も目の前でチャオズを失うけど、そこはスーパー地球人にならなかった
天津飯は硬派な努力型で、武道の腕は地球人として一番の達人です。
武道家として恵まれた体つきで、礼儀正しく律儀で芯の通った男です。
しかし・・ 華が無い 笑
天津飯は強いけどスター性が無く、キャラクターとしての地位はクリリンよりむしろ低い様な気がします。
今回は超サイヤ人をテーマにしたので、クリリンと同じ様な最後を迎えたチャオズによって「超地球人に覚醒しなかったのか問題」に本項ではスポットを当てました。
天津飯といちばん親しいチャオズは、地球でナッパの背中にしがみつき自爆して粉々になりました。
しかしサイヤ人の圧倒的なタフネスの前に、チャオズの微力ではダメージを与える事が出来ませんでした。
戦闘服にヒビすら入れる事も出来ず、チャオズは無駄死にしてしまったのです。
状況的にはこの時に天津飯がプチンとキレて「超地球人」として覚醒したら、ナッパどころかベジータさえも瞬殺できたかもしれませんが、なけなしの気功砲を撃つのがやっとでした。
地球のZ戦士は気をコントロールできて、精神状態によって戦闘力が大きく変動するので、弟同様だったチャオズが目の前で死んでいった状況を考慮すると、悟空が到着する前にキレた天津飯がサイヤ人二人をなぶり殺してもおかしくなかったのです。
しかし作品のストーリー的に考えると、天津飯を強くしてもその先に果実は無いというシビアな判断がなされたのでしょう
天津飯は超地球人に覚醒する事も無く、気功砲を撃って気を使い果たし亡くなります。
ナッパの戦闘服の大部分が吹き飛び身体にもダメージを与えられましたが、チャオズと仲良くあの世行きとなりました。
超サイヤ人になると戦闘力が1000万クラスにUP!
ドラゴンボールのファンの間では「この時の戦闘力は~」など、とかく戦闘力がどれくらいだったのかよく議論されます。
巷では超サイヤ人の戦闘力が1億とか言われて戦闘力のハイパーインフレが起きてますが、私は1億だと思ってない派です。
見出しに戦闘力1000万と書きましたが、根拠というか根幹となる考えがあります。
ナメック星で超サイヤ人になった悟空が最終形態フリーザのフルパワーより強いのは間違いありませんが、フルパワーのフリーザに対してどれくらい強いのかが、超サイヤ人の戦闘力を弾き出す材料となります。
まずはフリーザの形態別戦闘力を考えます。
平常時はもちろん53万
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最初の変身で、「100万以上は確実」と本人談(つまり2倍)
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2回目の変身で、たぶん200万(戦闘力増加率が、2倍ずつと仮定)
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最終形態で400万(ここで1億とか言われてるけど、さすがにそれは無い)
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フリーザのフルパワー100%で、500万程度にアップか!?
フリーザの戦闘力に賛否両論あるかと思いますが、私はこの線が妥当だと思ってます。
マックスパワーで戦闘力500万のフリーザと闘った悟空は、フリーザを子ども扱いとまでは行かなくとも遥かに凌駕してます。
この事から、超サイヤ人孫悟空の戦闘力は700~800万。
高くてもダブルスコアの1000万くらいだと算出してます。
以上、超サイヤ人覚醒についてあれこれ書きました。
戦闘力については「そうじゃね~よ」と思ってる方も居るはずですが、それを考えるのもドラゴンボールの楽しい所です。
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