株のデイトレをしてる時、チャートは思う様に動いてくれません。
上がるか下がるか究極の2択に正解してスンナリ利益になる時はラクですが、イライラさせられる場面が多いです。
安くなって買った株が更に下落したら、どの様に対処するかで損益が天と地ほど変わってくるのが株の面白いところです。
本記事では「逆張り時のナンピン」について書きました。
ナンピンが危険なトレードと思われがちなのが残念ですが、ちゃんとやれば逆転サヨナラヒットを打てる可能性が高い有効な手法です。
逆張りの初回エントリーは、株価が割安なレベルまで待つ
株のトレード手法の根幹として「順張り」と「逆張り」の2種類に大きく分かれますが、皆様はどちら派でしょうか。
株本などを見ると順張りが推奨されてる事が多いですが、日本の個人投資家は逆張りを好むと言われています。
「株価が強いから買う」というのが順張りの動機ですが、やはり「株価が安いから買う」というのが自然な動機として日本人の根底にあるかと思います。
逆張りはトレンドが反転するポイントを狙うので、買いで入る場合かなり下落して割安になるまで待つ必要があります。
下落中はイイ感じの安さになってくると買いたくなりますが、その時点では買いたい欲を抑えます。
中途半端な安さで買ってしまうとたちまち含み損になってしまうので、下がって下がって更に下がったところでやっと打診的に少し買うのが、低リスクで守りのトレードです。
安全な株価で初回エントリー出来たとしても、まだ下がる可能性があります。
その余剰下落を見越したナンピン前提で最初は小ロットの仕込みに留めておくと、後の取得単価調整がやりやすくなります。
予定してる株数を1回で全量仕込まなければ追加の買い増しをしたくなるので、むしろ更に下落してほしいとさえ思う様になります。
「ナンピン」と聞くと毛嫌いして嫌悪感を持つ方が多い様ですが、要は「トレードで勝つ為の買い増し」です。
場面によってはかなり有効な手法なので、まずはエアトレードで実際のお金は使わずやってみると良いでしょう。
含み損になる前提で、打診エントリーは小ロットで
自分が安いと思って「ここだっ!」と買いエントリーしても、自分以外の投資家はそこまで割安に感じてないかもしれません。
これは各自の価値観に個人差が有る為で、株価のチャートにも人間の思惑が数字で表れます。
ドンピシャの底値で買える事はたまに有りますが、読みの誤差による含み損が出る事が普通です。
最初から「多少含み損になる事」を想定して初回エントリーを小ロットにすると、後々かなり有利にトレードを進められます。
私は初回エントリーでは全余力の10%くらいで打診買いしますが、結果は薄利になるもののまず勝てます。
以前は50%以上の余力をいきなり使ってましたが、今考えるとかなり無謀なトレードです。
初回エントリーで大きなロットになってしまうと余力が枯渇してしまうので、平均取得単価を下げるのが難しくなります。
小学校で習う「平均値」の事ですが、株価1000円の銘柄を余力50%分で買ってしまうと、仮に900円まで下落した時にナンピンして900円近辺の平均取得単価に近付けるのは、かなり難しくなります。
よって、相場で安定的に勝つには平均取得単価を柔軟に調整出来る様に、初回エントリーを小さく持った方が良いです。
株価1000円の時に余力の10%しか買ってなければ、900円まで下落した時に余力は90%も残ってて、その有り余る余力を段階的に使い平均取得単価を下げて、含み損状態からプラ転させやすくなります。
チャートの読みに確度がある場面は別ですが、普段は石橋を叩いて渡る事が着実に資産を増やす秘訣です。
当日にナンピンするかしないか、チャートのタイプで判断
ナンピンするか否かは、その銘柄が当日作ったチャートのタイプとポジションを仕込んだ時刻によってナンピン戦略が変わります。
時刻の観点ですが、プラ転させるには残り時間が多い方が有利になります。
14:30以降に初回の打診買いをして含み損になってしまったら、その日は余計な事をしないで翌日に持ち越した方が良いケースが多い様な気がします。
14:30以降にナンピンして助かれば良いですが、助からなかった場合はロットが増えた状態で、NY市場その他の影響を受けて翌日どう動くか分からないリスキーな相場に臨まなくてはなりません。
打診買い分だけで翌日に持ち越せば、翌日下げたとしても損失は大した事無いし、そこで初めてナンピンする事によって平均取得単価を効率良く下げられます。
では、残り時間が充分ある時間帯の戦略です。
当日に逆張りした分が損失を出してる状態なら、既にそこそこ安いところで買えてるのでそこから更に安くなれば積極的に買い増しをする場面です。
・メリハリタイプ➡ナンピンで正解
チャートのタイプが非常に重要になりますが、上げ下げが1日の中で何回も活発に繰り返される『メリハリタイプ系』はデイトレの逆張りにもってこいです。
ルネサスやソニーなどはよく上下運動するので、短時間で(←重要!)安くなったところを狙っていけば利益を取りやすいです。
写真は5分足ですが、日足の時間軸のスイングにもメリハリタイプは超おすすめです。
日足で見ておすすめなのは、キーエンス・ファナック・日電産・アサヒ・東京海上・商船三井などです。
これらは、日中パソコンに張り付けないサラリーマントレーダーの方に適した銘柄群です。
昼間働くサラリーマンの方には、やはりスイングトレードが適してるかと思います。
・ズルズル下落タイプ➡何もしないor損切り
この手の『ズルズル下落タイプ系』は、日産や信越化学などでよく見るチャートです。
ジワジワ真綿で首を絞める様に損失が膨らみ、大引け近くでダメ押しの安値更新をして引ける最悪のタイプです。
変に持ち越すより、一旦リセットする為に損切りしても良いでしょう。
株価自体は安くなっただけに翌日のリバウンド上げが大いに期待できますが、当日に安いからと言って飛び乗るのは絶対厳禁です。
ナンピンするに値する反発が見込める安さではなく【ただ単に安いだけ】で、このタイプのトレンドは1日中続きます。
下落した株を買い叩くのが逆張りとはいえ、デイトレでこのズルズルタイプはほぼ勝てないので手出し無用です。
安い株価でもその株価になるまでのプロセスが、この先の株価を予想する為に重要な要素になります。
打診買いを分割して買うのも、リスク軽減に有効
私は打診買いする時、小分けで分割して株数を増やす場面が多いです。
ある銘柄をとりあえず打診で1000株買いたい時は、500株買った後に数ティック下がったら追加で500株を買って、最初の打診買い分を集めるといった感じです。
底値をジャストで当てるのは至難の業なので自分の読みの誤差を加味して、発生し得る含み損を少し減らす事が出来ます。
それと同時に、平均取得単価も若干下げられるので勝率もアップします。
取引手数料は余計に掛かりますが、株価自体の含み損が少しだけ減るので、こちらの方がお得です。
株価の読みが1円の狂いも無く完全に底値を買えた時は株数を増やせないので、その時だけは利益が減りますがそんな事はそうそう無いので、長い目で見れば分割買いの方が利益になります。
例えば【6506 安川電機】を300株買うとしますが、一度に大きな株数を買うのは、けっこう勿体ない行為です。
安川電機の株価が3900円ほどで、株価は5円刻みで動きます。
という事は最低単元の100株だけでも、1ティック動けば500円動くのです。
どの証券会社でも、信用取引するなら取引手数料は片道500円以下でしょうから
【3900円×300株】で一度に買うより
【3900円×100株、3895円×100株、3890円×100株】でチビチビ買う方が手数料を考えても得するのです。
上の例は1ティック下がる毎の買い増しですが、これを2ティック毎にすればもっと得します。
まどろっこしい買い方ですが現実的に有効な買い方なので、是非おすすめしたい手法です。
ナンピンはリスキーだけど、最初のポジションとは別個で考える
ナンピンは「下手なナンピン、スカンピン」という格言が有るほどで、もちろんリスクがある手法です。
マーチンゲール的な怖さも兼ね備えてますが、このリスクを上手くコントロールすれば含み損からプラスに転じる事が出来る有用な手法です。
ナンピンする事に抵抗がある方は、含み損が増大する事がストレスです。
確かにそうなんですが、そのナンピン分だけを別個で考えれば買建単価はかなり安いので、すぐにでも利益になりそうなハズです。
ナンピンした分も併せた全株をプラ転させたいトコですが、株価の展開次第ではナンピン分だけを切り離して利益確定させても良いワケです。
場合によっては少額の損切りになるかも知れませんが、こう考えるとナンピンする敷居はグッと低くなるかと思います。
ナンピン買いしたもののリバウンドがイマイチだと感じたら、ナンピン分だけでも処分すれば身軽になります。
当日がダメなら、勝負は翌日に持ち越せば良いのです。
翌日がダメなら、数日後でも・・
損切りが必ずしも必要ではないくらいの安さで買えてるなら、待ちに徹します。
使い勝手が悪い手法は沢山ありますが、少し観点を変えれば使えるワザに成り得ます。
トレードで勝つ為には、食わず嫌いだった手法を掘り返すのも有効な手段かもしれません。
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