平成で甚大な被害が出た阪神大震災と東日本大震災を経て、日本人は嫌と言うほど地震の怖さを目の当たりにしました。
世界的に見ても日本は地震の多さがトップクラスで、地震大国と言われてます。
四季がハッキリしてる為、日本における災害は夏の台風や冬の豪雪など、季節特有の被害もあります。
災害が多い日本列島ですが、どの都道府県がいちばん災害が少ないか考えてみました。
2019年10月12日(土)
史上最強の台風19号で広範囲に災害が及びました。
台風による災害は直接的な被害だけではなく、交通麻痺による間接被害・経済被害も及ぼします。
台風による計画運休で、閑散としたJR新宿駅
この写真は台風19号が関東に上陸する日の午後から『計画運休』が実施される日に、JR新宿駅で朝10時に撮影した写真です。
いつもは人で埋め尽くされる新宿駅構内ですが、この日は『えっ!?』ってくらい人がまばらで、電車の中もガラガラでした。
嵐の中カッパを着て新宿のど真ん中を歩きましたが、ほとんど人が歩いてなくてゴーストタウンと化してました。
大都会の新宿でも、ガラス窓に養生テープを貼ってる建物がけっこう目立ちました。
多くの河川で堤防が決壊し、氾濫が相次ぎました。
東京23区内でも江戸川区など海抜が低い地域では洪水警報が出され、もはや大規模災害は他人事ではありません。
災害が少ない都道府県 5選(個人的選別)
日本全国47都道府県の中から、地震・台風・雪害などの災害が少ない都道府県を独自に選別しました。
比較的安全な都道府県 5選
・京都府
・滋賀県
・山梨県
・群馬県
・埼玉県
私は上記の5府県が、比較的安全だと思いました。
沖縄県から北海道まで日本列島を見ていくと、各地それぞれの災害事情があります。
下記は、私が書いた関連記事です。
日本一災害が少ないかもしれない山梨県に移住するメリットを書きました。
まず沖縄県と九州全土は、毎年必ず台風の通り道になるので除外しました。
台風は南の海上で発生しますが、そのほとんどが沖縄を経由して九州を通っていき、暴風や豪雨で毎年の様に被害があります。
あと熊本県や福岡県では、震度5弱以上の大きい地震が度々発生します。
指宿・別府・阿蘇など、温泉が多く素晴らしい天然資産がある九州ですが、それだけに火山が多いです。
あと鹿児島県では、火山灰が日常的に降ってる点も気になります。
せっかく洗った洗濯物が灰で汚れてしまうので、鹿児島に住んでる方は『降灰予報』という聞き慣れない指標を見ます。
四国・中国地方・南海地方はこれから高確率で起こり得る南海トラフ地震のリスクがある為、除外しました。
京都と滋賀は南海トラフの範囲に属しますが、想定震源から離れた両府県北部なら大きな被害からは何とか耐えれそうなので、安全な都道府県にノミネートしました。
南海トラフ地震の破壊力は東日本大震災の比ではなく、千年に一度レベルの地震と言われてます。
続いて中部地方・北陸地方
岐阜県・長野県・新潟県では大きい地震が多く、震度6クラスが度々発生してます。
そして長野県・新潟県・富山県など北陸地方では、冬になると東北地方並みに雪が降ります。
毎年NHKのニュースで見ますが、冬の間は雪かきをしてもすぐに次の雪が積もってくるイメージがあります。
私は真冬の長野を短期出張で過ごした事がありますが、ムチャクチャ寒くてほぼ毎日雪が降ってました。
長野は標高が高いので冷たくて強い風が容赦なく吹き、諏訪湖が分厚く凍って全面結氷するほど気温が低いです。
愛知県・静岡県は温暖で交通の便も良いですが、南海トラフの危険が押し迫ってるので長期的に住むのは少しリスキーかもしれません。
関東地方は首都直下地震が喫緊の課題として想定されてて、かなり危険が押し迫ってる感じがします。
本当に東京23区を巻き込む大地震が起きれば、どえらい事になりますね。
こち亀に出てきそうな下町は家と家の間がとても狭く、地震で一軒火事になれば飛び火に次ぐ飛び火で『江戸の大火』の令和版が起きそうです。
「生きてる間には来ないだろ」と考えたくなりますが、地震は人間の都合に関係無く起きます。
千葉・茨城方面では大地震による土地の液状化や、台風豪雨の被害が無視できない確率で起きます。
2015年鬼怒川豪雨のインパクトが個人的に強く、震度4の地震が頻発する点も脅威です。
関東平野で風が強く、強風・竜巻による被害もしばしば出てます。
つくばエクスプレスの車窓から見える景色は見渡す限りの畑や田んぼで、関東平野の広さを実感出来ます。
関東地方の中でも海に近い地域は台風がギリギリかすめていく可能性があり、確率は低いものの台風の進路によっては河川の氾濫などの水害が起きてしまいます。
台風の事を考えれば、山梨・埼玉・群馬の山に囲まれた内陸地が安全な気がします。
東北地方や北海道は言わずもがな昔から大地震が多く、加えて大雪による被害も大きいです。
都心の人間がたった数cmの積雪でパニックなのに、東北以北ではケタ違いの雪が降ります。
冬になるとほぼ毎日の降雪があり、生産活動の邪魔になります。
台風が強い勢力を保ったまま東北まで到達する事が稀に起こり得るので、こちらも心配な点です。
以上の事から豪雨・豪雪が無くて、しかも大地震をギリギリかわせる内陸地の【京都・滋賀・山梨・群馬・埼玉】が、国内ではトップクラスの安全性があるのではないかと思います。
南海トラフ地震が、近い将来発生する恐怖
何年か前から専門家が提唱している『南海トラフ地震』はとてつもないエネルギーの大きさで、東日本大震災よりずっと大きい地震になる事が確実視されてます。
あの地震より強いのは、メチャクチャ脅威ですね・・
過去に起きた地震の周期から考えていつ起きてもおかしくない状態で、今後30年以内に起きる可能性が高いと言われてます。
この「30年以内発言」から既に何年も経っているので、刻一刻とXデーは迫っています。
南海トラフ地震は海溝型の地震なので、大津波が発生します。
超巨大な地震なので、津波の高さも想像を絶するものになるはずです。
静岡から高知までの広範囲で、名古屋・大阪を含む大都市をマグニチュード9以上の地震が強襲して、海辺の街は地震による津波で大きい被害が出るかもしれません。
昔ファイナルファンタジー6で、ゾゾ村のヒルギガースという体の大きさが画面いっぱいの巨大モンスターが『マグニチュード8』というパーティ全員が大ダメージを受ける厄介な攻撃をしてきて、その当時ではマグニチュード8クラスの地震はゲーム上のギャグ設定で現実には絶対来ないと思ってましたが、東日本大震災でマグニチュード9.0を記録しました。
ギャグ設定規模の地震が現実に起きるのは怖すぎます・・
ほぼ確実に来る地震に備えて住む場所を今更変えるのは現実的に難しく、地震が起きない事を願うばかりです。
台風は毎年必ず西日本のどこかを直撃する
日本列島に台風が近づいてくる天気図は、昔から見慣れてます。
台風自体に動く力はありませんが、偏西風によって流されて日本列島を直撃していきます。
これによって、わざわざ嫌がらせの様に台風は九州地方に上陸する事が多く、暴風と豪雨で爪痕を残してゆっくり移動します。
鎌倉時代の元寇は、対馬海峡の台風で引き返す事になりましたが、大昔から九州は台風がよく通るルートです。
沖縄や九州に上陸する段階では台風は出来たてで、風速がとんでもなく速いです。
気象庁の台風上陸回数統計では1位の鹿児島県に続き、高知県・和歌山県が次いでます。
ヘクトパスカルが強いままの台風が自分の住んでる街に来るのは、脅威です・・
私の父親は昭和34年の伊勢湾台風の話をよくしますが、当時を生きた人にとって伊勢湾台風は相当なトラウマだった様で、紀伊半島と東海地方を中心とした広範囲に甚大な被害をもたらしました。
これ以外の地域に住んでる人は、何となく「台風来るのが密かにワクワク」みたいな感覚がありますが、台風に対する認識を変えましょう。
雪国の豪雪は交通機能が麻痺する
冬の雪国はほとんど毎日雪が降り、雪かきをいくらしても追いつかない時があります。
屋根から落っこちて、命を落とす方も居ます。
雪かきをやった事が無い地域の方にはイメージしづらいかもしれませんが、雪はメチャクチャ重たいです。
水分を含んでるので、あまりの重さに驚きます。
スコップひと掻きで10kgくらいあるかという感覚で、雪かきをした翌日はよく筋肉痛になったものです。
新潟県まで車で行った事が有りますが、家の設計が雪国仕様の民家が多いです。
雪を早く解かす為に、屋根の南側に日光が効率よく当たる様に設計されてます。
大雪が降ると航空機・電車・高速道路がストップして、交通網が麻痺してしまいます。
冬の全国天気予報を見ると分かりますが、長野県や北陸・東北地方・北海道・日本海側は大体いつも鉛色の空で、ほとんど毎日雪が降ります。
毎日降るので溶けるタイミングが無く、新たな雪がドンドン積み重なっていきます。
毎年冬は、雪で生活しにくそうですね・・
昔『名門! 第三野球部』という高校野球マンガで、青森県代表の小比類巻くんが「雪虫が出る時期になると、雪が毎日降って野球の練習が出来なくなる」と悲しそうに言ってたシーンが、とても印象に残ってます。
安全な5府県は、猛暑さえ我慢できれば住みやすい
今までの項で地震・台風・豪雨・大雪を考えた『比較的安全な都道府県』を京都他5府県を選びましたが、偶然か必然かこれらの府県にほぼ共通するのは【夏が異常に暑い】という点です。
京都・滋賀・山梨・群馬・埼玉です。
滋賀県だけはそうでもなさそうですが、滋賀以外は夏の最高気温ランキング常連です。
滋賀が猛暑関連でニュースになるイメージは、昔から有りません。
京都は盆地で暑いと言いますが、山梨も同じく甲府盆地でとても暑いです。
京都の舞妓さんは真夏でも顔に汗をかかない様に、帯締めで上半身の高い位置を圧迫して汗を止めてるそうです。
汗が出ない事によって体温調節が出来なくなり、体感気温は更に暑そうですが。。
私は山梨に住んでるので、夏の暑さがよく分かります。
晴れれば35℃以上は当たり前で、日照時間が国内トップクラスです。
NHKの全国版猛暑ニュースで、甲府駅前の武田信玄公像が毎年の様に中継で映ります。
JR甲府駅南口 武田信玄公像
ぶどうの産地で有名な山梨県甲州市勝沼町もかなり暑く、猛暑ランキング常連です。
日中の寒暖差が大きいとぶどうの品質が良くなるので、勝沼はぶどうの産地になるべくしてなっているのです。
勝沼の駅名は「勝沼ぶどう郷駅」という珍名で、周辺はぶどう農家の軽トラがゆっくり走ってる、ジョジョの杜王町みたいなのどかな田舎町です。
埼玉は熊谷、群馬は館林が暑くて有名です。
埼玉県熊谷市は2018年7月に41.1℃で歴代の国内最高気温ランキング1位になりました。
ちなみにそれまで1位だったのは、2013年8月高知県四万十市の41.0℃でした。
これらの場所は国内有数の暑い場所で真夏の猛暑は堪えますが、地震などの災害に比べれば何てことは無いです。
地震や台風などの被害が無い分、暑いのはいくらでも耐えられます。
この先温暖化が進み、45℃くらいになって日常生活に支障をきたすとしても、地震の被害に遭うよりずっとマシです。
以上、私見でした。
コメント
[…] […]
石川県・富山県に関する記述が見受けられませんでしたが、地震・台風・寒波・積雪・猛暑という点では被害が少ないのではないでしょうか?
石川県・富山県も地震・台風のイメージは無く、安全に住める県だと思います。
ただ、北陸特有(福井県も含む)の断続的な大雪には悩まされそうです。
初めまして。
滋賀は良いと思いますが、京都は無いかなぁと…
「京の油照り」と言われる酷暑は、災害級の辛さです。
盆地特有の暑さ…熱気がいつまでも滞留し、風も少ない。
(暑さと猛烈な湿気のせいか、夜の道路でゴキブリを沢山見ます)
しかも、歴史を紐解くと、地震が結構多いです。(直近は慶長伏見地震)
冬の底冷えも強烈ですし、ほんま住みにくいです(^^;
その上、インバウンドの影響で洛中の地獄のような混雑は、居住者にとってはきついことこの上ないです…
Ajさま
初コメントありがとうございます。
京都在住者の生の声が聞けて、とても染み入ります。
私も甲府盆地という盆地に住んでるので、あの暑さはよく分かりますよ。
「京の油照り」というネーミングは初耳です。
暑過ぎて、身体中の脂汗が出てきそうですね 笑
慶弔伏見地震は1596年に起きてますから、2019年現在では423年経過してますね。
地震の周期としては、そろそろ来そうな気も・・
しかし京都以外の人から見たら、京都は住みたい都道府県として人気が高いのも事実です。
独特な「上ル」「東入ル」などの住所表現も、特別感があってカッコいいですよ。
はじめまして!
興味深く拝見させて頂きました(●´∀`●)
北海道在住ですが,やはり北海道は地震が多いイメージなんですね。
他のサイトでも北海道をひとくくりにされる方も多いのですが,北海道って九州の2倍,四国の5倍,東北6県よりも広いので,同じ北海道でも地震の多い地域と私の住んでいる地域とでは300Kmとか400Kmとか離れている感じです。
なので地震の多い北海道でも私の住んでいる地域では日本で一番大地震に見舞われる確率の低い地域とも言われています。
https://honkawa2.sakura.ne.jp/4330.html
実際過去50年でも一番大きな地震が震度3が最高で,それも2度あっただけです。
台風は温帯低気圧に変わってしまうので味わったことがないですし,
洪水も川上に位置するので無いです。
ただ唯一雪が降るのと寒いのが災害と言えるかもしれませんね。。。
まっ,慣れるので地元民は災害とは思ってないですけど(笑)
とは言え日本に住んでいる以上災害は避けて通れないのでいつも用心して置くことに越したことはないですよね(*>∀<)ノ))★
長文失礼致しました(o*。_。)oペコッ
kanaさま はじめまして
北海道は確かに広いですね。
何か月か前、ツイッターのトレンドに『北海道のリアルなデカさ』みたいなワードがランキングしてました。
半透明にした北海道の写真が、関東地方・中部地方・近畿地方をスッポリ包んでて、「ここまで北海道はデカいのか!」と驚きました。
あそこまで広いと、同じ北海道でも土地の特性が全くの別物になりますね。
東端の根室を茨城県に置き換えると、青森県に近い場所に位置する函館は茨城~大阪間くらいの距離感になります。
寒いのは変わりませんが、地震の断層的には相関関係が崩れるほどの距離です。
2018年9月の北海道胆振東部地震が発生したり、1993年7月に起きた奥尻島の北海道南西沖地震のイメージがどうにも強いです。
kanaさまの住まわれている地域は幸いにも地震とはほぼ無縁との事ですが、そこまで地震が少ないのも珍しいですね。
北海道民の家の中は暖房が充分効いてて、家に居る時は真冬でもTシャツ1枚で過ごすと聞きます。
外が寒いのは仕方ないですが、子供の頃から寒い事が当たり前なら慣れそうです。
あれだけ広くても甲子園の枠が2校しかないのは少ないです。
東西南北+中央の5校くらい出ても良いですね。
>福岡県では、震度5弱以上の大きい地震が度々発生します。
事実に反するような気がします。
福岡県は1904年の近代的地震観測が開始されて以来、震度5以上を観測したことは一度もありません。過去に震度4が2回あるだけです。
なお、下のようなデータもあります。
https://www.inc-reliance.jp/life/17014#i-6
また地形や偏西風の影響で台風が直撃することはまずないです(西にそれます)。経験ありません。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11131691581
博多港は2000年の歴史がありますが、津波が来たという記録はありません(10数cmの水位変動が観測されたのみです)。
他県の安全性については、知識がないので言及しませんが、私は福岡県(および佐賀県)は比較的災害が少ない地域であると認識しています。
なお、有名な大学教授が2013年に福岡に地震が来ると予想しましたが結局来ませんでした。
2005年3月20日の福岡県西方沖地震で福岡県は震度6弱の地震が発生して、それに伴う余震で震度5強・5弱も起きてます。
加えて、記憶に新しい2016年4月16日の熊本地震の際にも、福岡県は震度5強でした。
[…] https://toshi-chan.com/japan-prefectures-safety https://www.fnn.jp/articles/-/15800 […]