信用取引は空売りその他メリットが多い 塩漬け株だらけの人には特にお勧め

 

株の「信用取引」について、信用取引未経験者向けに書きました。

 

株をやってる人でも、信用取引には恐いイメージを持つ方が少なくありません。

もっとも過去の私も、信用取引にはネガティブなイメージを持ってました。

 

私は現在のトレード比率は信用取引が100%で、現物取引は全くしてません。

 

「株は現物でしか取引しない!」というスタンスの方も、本記事を是非最後まで目を通してください。

内容を知れば食わず嫌いだっただけで、「もっと早く気付いてれば良かった」という風になるかも知れません。

 

 



 

信用取引は、空売り出来る様になる事が最大のメリット

信用取引を始める大きな動機になるのは、やはり空売りが出来る様になる事が挙げられます。

空売りは株価下落を狙うので、あからさまに下げそうな時にはチャンスです。

 

加えて信用取引は現物取引に比べて取引手数料が格段に安く、手数料負けしにくくなる点もメリットです。

証券会社によっては、信用取引手数料が無料のところもあります。

 

 

空売りとは、その名の通り「株を持ってないのに売る」という取引です。

 

持ってない株を売るという表現は不思議な感じがしますが、証券会社から借りた株をまず売って、後日(当日~半年以内)買い戻して証券会社に返却するという流れです。

つまり株を安く買い戻す事(EXIT)によって、その差額が儲けになるのです。

 

 


空売りの原理

■例えば、こち亀の両さんが大原部長から50万円の高級将棋セットを借りたとします。

しかし両さんは金儲けに関して異常に頭脳が働くので、借りた高級将棋セットを独自のルートで50万円で売り捌き、下町の馴染みの店で全く同じ将棋セットを40万円に値切って買います。

そして40万円で買った将棋セットを大原部長に返却すれば、差額の10万円が両さんの儲けになるというシステムで、これが空売りの原理です。

 


 

上がった株価はいつか落ちてきますから、売りで利益を狙う方がどちらかと言えばやりやすいです。

一般的に株価が動くスピードは、上がる時より下落する時の方がずっと早いので、空売りが上手く使える様になる事に挑戦するのはとても価値があります。

 

特に世界同時株安とか「○○ショック」の時は、空売りが威力を発揮します。

他の投資家が株価暴落で苦しんでる時に、空売りしてる自分は密かにほくそ笑んでいれば良いのです。

 

 



 

信用取引のデメリットは、持ち株に金利が毎日かかる

信用取引は現物取引と違って、金利という名のコストが休場の土日に関係なく毎日掛かります。

これは【買い】でも【空売り】でも絶対避けられません。

証券会社からお金or株をレンタルする取引形態なので、仕方のないことです。

 

金利は【買い】と【空売り】で差があり、【空売り】の方がコストは安く済みます。

大した額ではないですが、塵も積もれば山となります。

 

各証券会社でバラツキがありますが

買いの金利(年利)=約2.5%

空売りの金利(年利)=約1.1%

金利の基準はこれくらいに思って頂ければ、そう間違いは無いでしょう。

 

上記の金利で1千万円分の株を持ってたとすると

買いでは1日約685円掛かります。

空売りでは1日約301円です。

 

デイトレで手仕舞いすれば金利は関係ありませんが、スイングも含めてトレードしてる感覚として、買いの金利はけっこう高いかなと思います。

 

 



 

権利付き最終日銘柄を空売りしてる場合は、配当金を支払う立場になる

これは空売りしてる時だけの注意点ですが、配当金の権利付き最終日に売りポジを持ったまま15時を迎えると、「配当落調整金」として配当金に相当する金額を支払わなければなりません

 

逆に、信用取引で買いポジションを持ったまま権利付き最終日の15時を迎えると、こちらは配当金に相当する「配当落調整金」を貰う事が出来ます。

 

私は高配当銘柄である日産を空売りしたまま権利付き最終日をまたいだ事がありますが、高配当なだけに配当落調整金が高額で、痛い思いをした経験があります。

あの時はキツかった・・

 

権利付き最終日翌日の「権利落ち日」は基本的に配当分の株価が下がるので、買いでも売りでも結局はあまり利益が期待できません。

むしろ厄介な事になるので、現物で永久保有する銘柄以外は権利付き最終日には取引しないのが賢明でしょう。

余計な事をすると、簡単に事故ります。

 

 



 

信用取引のレバレッジは自分でコントロール

信用取引では、持ってる資金の最大3.3倍分の取引きが出来る様になります。

『レバレッジ』と言って、自分が持ってるお金の何倍も大きい額を動かす事が可能になるのです。

 

現金300万円が証券口座に入ってるとすれば、1千万円分も取引する事が出来る様になります。(新規信用建余力という)

かなり資金効率が良くなるので、調子に乗って身の丈に合わない大きなトレードをしない様に注意が必要です。

 

 

初心者の方は「どうやってレバレッジを決めるの?」と疑問に思う方が多いみたいですが、「レバレッジ2倍ボタン」「レバレッジ3倍ボタン」みたいなモノは有りません。

 

現金300万円を持って1千万円分の信用取引が出来るケースで考えると、600万円分取引きすれば「レバレッジ2倍」になるワケです。

控えめに150万円分の取引をすれば「レバレッジ0.5倍」になります。

 

ですから「〇倍のレバレッジにしよう!」という性質のモノではなく、「信用取引した金額がレバレッジに換算したら〇倍だった」という解釈です。

 

 



 

現物の塩漬け株だらけの方こそ、信用取引で再スタート!

これも大きなメリットですが、現物株の塩漬けを大量に持ってる方にはチャンスです。

なんと塩漬け状態の現物株の時価も、新規信用建余力にカウントされます!

 

尚、現物株の担保力は時価の80%になります。

 

・例 時価100万円分の現物株を持ってる場合の計算式

100万円×0.8×3.3=264万円

時価100万円分の塩漬け株を持っていれば、264万円が新規信用建余力に加算されます。

 

塩漬けの現物株が売るに売れない状態で、現物株を買うお金も底を付いたニッチもサッチも行かない状態の方に、信用取引は特にお勧めです。

新たにまとまったマネーが使える様になります。

 

 

信用取引で塩漬け株を作ってしまうと非常に厄介なので、特に慎重にトレードしましょう。

半年以内に決済しなければならないルールに加えて毎日金利が掛かるので、信用取引は中長期では不利です。

損切りも出来ない状態であれば、「現引き」といって信用取引で買った銘柄を現物で買い取る事が可能ですが、その場合は多額の現金が必要です。

 

 

初心者の方はレバレッジ1倍未満で練習してから、徐々にステップアップしていくと良いと思います。

まだ信用取引の口座が無い方は、信用口座の開設をご検討くださいませ。

 

 

 



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