2019年11月9日(土)
「利益30億円トレーダー テスタさんに聞いてみた 相場で勝つためにしている〇〇のこと」
と銘打った、テスタさんの株セミナーに参加しました。
松井証券が主催したこのセミナーはツイッターで知りましたが、先着230名の募集枠は即日満員になりました。
松井証券の口座を持ってる人限定なので、このセミナーに行きたくても行けない方が続出した事と思います。
松井証券の板はかなり高性能で、トレードの武器になります。
セミナーの内容を網羅的にメモってきて、要点をまとめました。
テスタ氏の手法変遷 デイトレで資金が増えるにつれ中長期スイングも嫌々始める
これまでに利益30億円以上を稼いできたテスタさんは、株を始めた当初はデイトレに特化したデイトレーダーでした。
「デイトレ」という言葉が出来た頃に、たまたま本屋で株本を読んだのが始まりだそうです。
デイトレをスタイルとして取り入れたのは、「極力リスクを無くしたかったから」と話してました。
翌日に持ち越さないので
・NY市場の影響
・決算発表と配当落ち
・取引時間外の企業の不祥事
これらに起因する株価変動に巻き込まれない事がデイトレのメリットです。
翌日に持ち越さないのが大前提ですから、当日中の損切りは徹底してたそうです。
セミナーでは「含み損の時点でダメ。自分の思惑と逆に行ってしまったら損切りして、翌朝9:00にはフラットな状態にしておく事が大切」と話してました。
自分に都合の良い情報を変に信じてズルズル持ち続けて損切り出来ないでいると、気付いたらとんでもない額の含み損になってしまうものです。
テスタさんはデイトレで成功して何年か経ち、資金が「億」になるとデイトレで大きな資金をフルに使いきれなくなる事が多くなり、資金に対して効率の悪さを感じ始め、2016年頃から中長期投資やスイングを嫌々(決算・四季報などが厄介)始めました。
現在ではデイトレはもちろん、スキャルピング・スイング・中長期も取り入れ、オールラウンドプレイヤーとして日々稼がれてます。
資金の話ではBNFさんも同じ事を話してましたが、資金が大きくなり過ぎるとトレードの動きが重くなり、全部のお金をフルに使えなくなるそうです。
BNFさんは株の投資資金を調整する為に、秋葉原のビルを90億円で購入しました。
ここまで来ると、もはや凡人には分からない世界です 笑
テスタ氏の投資理論&銘柄の選び方
株で勝つ為には大衆の逆を行く事が大事で、多くのトレーダーが株価が下がってきた時に買い増しして、株価が上がってきたら売り増しをしますが、これについては「トレードの本質と逆の事で、理にかなってない」と仰ってました。
この行動を取って含み損が消えて助かる事も確かにあるけど、テスタさんは不合理な事と捉えてます。
トレーダーとして一皮剥ける為には、大衆心理の逆の事をしなければなりませんが、なかなか勇気の要る事です。
ラッキー的な勝利はあまり喜ばしい事ではなく、チャートを見て自分の思惑通りに株価が動く事が勝ち続ける為に重要で、自分が株を買った後に他人が株を買う事によって株価は上がりますから、自分以外のみんなが株価についてどう思うのかが大事です。
自分が「安い」と感じても、みんなが「安い」と感じてくれないと株を買ってくれません。
自分の建値は株価形成になんの因果関係も有りませんから、他のトレーダーがどう感じるかを考える習慣をつけると良いです。
テスタ流 銘柄の探し方
デイトレとスイング・中長期では銘柄の選別方法が全く違います。
デイトレ
ボラティリティ(値幅)を重視します。
上がりっぱなしor下がりっぱなしの様な一方通行なチャートの動きではなく、メリハリがある上下運動をする銘柄を好んで投資候補にされてます。
当日だけのトレードですから、PER・PBRみたいな指標は変にバイアスが掛かってしまうので見ないそうです。
中長期投資なら注意するべき項目は除外して、デイトレではとにかくボラがある銘柄です。
スイング・中長期
中長期では四半期決算の3ヶ月スパンを区切りの目安にしてて、中長期投資ではファンダメンタルズを重視します。
決算発表では前回・前年同期と比較して、どの分野が伸びてるかをチェックしてるそうです。
政府が保証してるような材料は特需で当然株価が上がりますが、この手の誰でも予想できる材料は織り込み済みで、ニュースになる頃には既に高値圏で株価が推移してるので、新規参入するタイミングではありません。
例として、スマホの5G関連銘柄に今から投資するのは遅いです。(2019年11月現在)
多くの人が既に周知してる材料より、突発的な材料が出た時が買いのチャンスです。
チャートで何を重視するか?
チャートの様々なツールは、マイナーで複雑な指標などがありますが、初期装備の
【ローソク足】
【移動平均線】
【出来高】
だけで充分事足りるとの事。
一目均衡表(雲)や増田足など、あまり馴染みの無いマイナーツールが一見レアで特別な感じがしますが、ベーシックなローソク足や移動平均線・出来高を世界中のみんなが見てるので、これらのシンプルな指標がトレードでは機能するとの見解です。
セミナー来場者の質疑応答 全問解説
セミナーの質疑応答コーナーで挙手した方全員の質問と答えを、漏れなくメモってきました。
質問1 大衆心理の逆を行ける根拠は?
A.自分の自信は思惑通りに株価が動けば、自信度が高まるので買い増しする。
逆なら即損切り。
株の掲示板はポジショントークなので、大衆と逆に考える必要が有る。
質問2 モニターは何台か? 起きるのは何時?
A.現在は7台だけど、実際に使うのは3台
株を始めた当初は1台で、2台目は悩んで購入。➡効率が良くなった!
見たい情報量が増えてきたら自然に増やすのが良い。
設備投資は惜しまずに。
目覚ましを8:20と8:50の時間差で2台掛ける。
基本的には8:20に起きる。
テスタさんの友人トレーダーは7時に起きて脳を覚醒させとくけど、テスタさん本人は7時起床を取り入れるも、やる事が無く眠いので3日で廃止。
質問3 資金が増えて、デイトレからスイングに移る時に苦労した事は?
A.デイトレを10年してたので、スイングを始めた時は長期保有する恐怖感があった。
怖さがあったけど、怖さを楽しむ感覚でトレードしてた。
質問4 チャートは何分足? 何銘柄見てる?
A.3分足がメインで(株を始めた時、3分足だった)たまに5分足を見る。
デイトレでも必ず日足を見て、トレンドを確認。
監視銘柄は30銘柄で、フレキシブルに入れ替え。
実際に見てるのは20銘柄ほど。
質問5(3問)
エントリーの際、気を付けてる事は?
1つの銘柄を見るか、同時進行で他の銘柄も攻めるか?
欲のコントロールは?
A.損切りをどこにするか、最初に考える。
もし逆に行ったら動きが止まるので、損切りでリセット。
損切りを徹底してるテスタさんの勝率は6~7割ほど。
基本的には同じ銘柄を見続けるので、1日最多で600約定!
同じ銘柄をずっと見続ければ、市場参加者の誰よりもその銘柄の値動き・クセに詳しくなる。
欲のコントロールは寝てリセット。
大きく負けても数ヶ月前の自分に戻っただけと考え、翌朝心理的にフラットな状態で相場に臨む。
質問6 利益確定したい欲のコントロールは?
A.徐々に慣れ。
イチロー氏も最初は野球のルールも知らない初心者。
質問7(3問)
相場で変化に対応するには?
テスタさんのトレードの優位性は?
トレードに頭の良さは関係するか?
A.株の注文は電話注文からネット注文に変化してる。
電話注文の人は今ならたぶん勝てないし、チャートの動きも過去と全く同じには動かない。
刻一刻と世界経済は変化するし、新しい環境に合わせられないとダメ。
優位性は独りでトレードしてるので、比較対象が無い。
株に頭の良さは関係無い。
トップトレーダーでも学歴は普通で、東大卒などは特に居ない。
質問8 どういう時に買うか? パターン・得意技は? リスク配分は?
A.こういう考えは持たない。(型にはめない)
ゴールデンクロスなど、教科書通りではダメ。
むしろその逆に張る。
リスク配分は1銘柄に全資金のMAX10%
この程度に留めとけば、その銘柄がどう動こうと致命傷にはならない。
質問9 利益確定の判断は?
A.(例)100円から110円になるまでの買われ方・勢いを重要視する。
個人がコツコツ買ってヨロヨロ上がったチャートより、大口がドカンと買った様なチャートが好ましく、この場合はまだ個人が買えてない可能性が高いので更に上がるのを待つ。
ヨロヨロチャートなら、予定の利確ポイントより早期で手仕舞いする事も。
質問10 板 歩み値 タイミング 最も重要なのは?
A.まずチャートを見て、買うか売るかを決める。
板と歩み値でタイミングを決める。
買いたい株価で、予定してる量を買えるか板を見る。
歩み値 < 板 < タイミング
質問11 トレード前に準備してる事は?
A.前日の寝る前に、株ニュースは必ず確認。
眠くても絶対怠らない。
これをする事によって、翌朝脳が続きを覚えやすくなる。
質問12 尊敬するトレーダーは?
A.最初は居た。
1日で10万円稼ぐ資産3千万円の人を師匠にしてた。
BNFさんも、もちろん凄いと思ってた。
しかし競う気は無く、勝ちたいのは過去の自分。
2017年の8億円超の最高記録を破りたい。
記録を更新する事で、自分の成長を感じられる。
以上、質疑応答でした。
挙手した12名分の質問に答えてました。
セミナーを最後まで聞いた人限定 「相場の違和感」の話
松井証券主催のセミナーは二部制になってて、後半は松井証券の「1日信用取引」という取引プランの説明会でした。
最後に再びテスタさんが登壇されたので、その時に話した事を。
相場の違和感について話してました。
決算の上方修正などで普通に考えれば「この銘柄は必ず買われるはず!」という場面でも、株価が素直に上がらない事があります。
こういう時は相場に対して違和感を覚えるものですが、違和感を感じた銘柄は持ち続けると良い結果にならないので、逃げた方が良いとの事です。
以前、ソフトバンクの決算発表で孫正義氏が「真っ赤っ赤」と言うほど最悪な決算でも、株価は意外に強かったです。
これが違和感で「最悪な決算だから空売りしよう」と安易に行動したら、思わぬ損失を被る可能性があります。
ソフトバンクは日経平均構成率上位のガリバー銘柄なので、世界中のトレーダーが株価の動向を注視してます。
あなたがパッと見て「こうなるんじゃないか」と思ってる事は、他の人も当然そう思ってます。
それでも株価が逆に動くという事は巨大な資金を持ってる大口が逆に張ってて、みんなの買い・売りを吸収してしまうのです。
大口が買ってたら株価は下がらないです。
相場の違和感を直感で感じ取ったら、慎重にトレードしましょう。
セミナー最後では、この様な話をされてました。
テスタさんの収支は、常軌を逸してる
テスタさんは毎日トレード終了後に、Twitterで収支を公開してます。
+784とか、いつも数百万くらいプラスになってるのは驚きです。
数千万円の時もあります。
毎日高級車や家が買えるほどの利益で羨ましいですね!
大きな損切りの時は-数千万円越えの日などもありますが、本人的にはトータル収支が大事という事でそこまで深刻に捉えてなく、損小利大をとても大きなスケールで体現されてます。
テスタさんの運用額がいくらか分からないけど、仮に20億円とします。(これまでの40億円近い利益に対して、生活費や税金やプール金などを引く)
平均的な勝ち額を1日+500万とすると、20億円に対して数学的に【+0.25%】です。
テスタさんは巨額の資金を扱ってる動きづらさが有るので、おそらく資金の増加と共に利益率は低くなってるかと思います。
安定して日々0.5~1%程度増やして行ければ、複利効果でいつかはテスタさんクラスのトレーダーになれるかも知れません。
株でホームランを狙うのは醍醐味ですが、シングルヒットを量産してみるのも資金を増やす有効な策です。
コメント